甲南起業部について

今日は、2025年度4月20日に行う起業部オンライン説明会の準備を兼ねて、私が今考えている事を綴りたい。

【2025 Konan Entrepreneurship Emblem — Inspired by the Crest of the University of Illinois and the Legacy of Konan High】

 コロナ禍が明けた2024年、NHKでも起業部が取り上げられるなど、起業を目指す学生が増えた。私もその流れに乗っていた。大学1年の時に、株式会社アドリブワークス、株式会社みなと銀行、甲南大学社会連携機構が主催する 約3か月間の「事業創造プログラム」に参加していた。それをきっかけに、甲南起業部を2024年4月に設立した。

 初めてホームページを立ち上げたり、ロゴを授業中に作成していたり、運営資金を援助して貰うために平尾記念館で面接を受けたりもした。イベントで知り合った学外の人には甲南起業部を作った人として認識されるようになった。アルバイトも辞めて、土日は友達の紹介で京都大学でMBAの授業に参加させて頂いたり、いくつかのプログラムに参加していた。8月になると私はイリノイ大学へ留学した。

 そのころ起業部は11月の摂津際に向けて先輩起業家とコラボしハンバーガーの模擬店を出店することになっていた。私は速やかに起業部の代表を交代した。私がいなくなった起業部は初めての模擬店にみんなで力を合わせ様て頑張ていたが、とても苦労しているのが伝わった。私がいれば上手く出来たのかもしれないが、結果は大失敗だったらしい。第三者の視点から見ると、部活動なのだから、もう少し積極的にフォローを入れても良かったのではという指摘もあった。この失敗が原因なのだろう、代表の子からメンバーがバラバラになり解散が決定したと報告を受けた。4月の新歓の時点で新入生を集められなかった事も失敗の要因だったかもしれない、起業なんて無理じゃないと指摘する親御さんもいた。

 2025年私はもう一度甲南起業部を作り直すと決めた。私が卒業した後も、甲南起業部が継続して活動出来うように作り直したい。他の部活動にも負けない団体に、甲南大学を背負う団体に、あと1年、頑張ってカタチにしていきたい。「甲南大学と平生釟三郎」の授業で学んだ甲南らしさも意識している。

 私が最初にしたことは、留学前に学生生活支援センターから勧められていた部則創りだ。学外のいくつかの部活動を適当に参考にした。ここでは起業部に即した形で甲起会(同窓会)やメンター制度、幹部メンバーなど組織体系を組み立てた。起業部の部則で最もユニークな点は一番最初に「願い」が書かれていることだ。どうして願いを記したのかというと、軸が定まっていないと部は続かないと感じたからだ。私は甲南起業部を「学生生活を謳歌し、恵まれた仲間と心から喜びあえる場所」と定義した。これは私自身の考えも多分に含まれているのだけれど、甲南生の良さは勉強ばかりに目を向けていないところだと考えている。周りの大学と比べて勉強はそこそこだけれど、心持ちだけは負けてはいけない。甲南高校では灘高校との定期戦があり、勉強ではほとんど勝つことがないだろうけれど、運動部はほぼ毎年勝っていたように覚えている。平生さんもまず一番大切なのは徳育だと考えていたのではないだろうか。

 もう一つは甲起会の存在だ、留学中に公立大学の起業部の代表とミーティングをしていた時に、卒業生は一年後には邪魔になる存在だから、自分が辞めた後は、あまり関わるつもりはないと言っているのを聞いた。理念は自然と受け継がれるものなので、部則も特につくっておらず、それぞれの代で個性を出して欲しいという考え方に出会った。この考え方は起業部という性質を考えるとアリだと思う。卒業生の中には学生と繋がる事で利益を得ようとする人もいるだろうし、部活の中にまで口を出すのは基本的に良い事ではない。一方で、大学生が卒業生と上手く付き合うことは時に有益だと思う。運動部などではそれが良く表れている気がする。

 4月の初めに同じ学部の新入生180人にメールでアプローチしたところ、5人の学生が説明会に参加希望を出してくれた。ゼロ人の可能性もあったので、本当に嬉しかった。少しずつ、少しずつ、発展するといいな。